減価償却の仕訳は、間接法ならば「減価償却累計額」を使用します。
直接法ならば固定資産の勘定科目から直接減価償却分を引く形で処理。
これが固定資産関連の基本です。
わからなければここから復習どうぞ。
注意するべく問題の中には「減価償却費」と「減価償却累計額」二つの勘定科目の使い分けを問われることがあります。
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減価償却は今期のみ、減価償却累計額は通年で蓄積するもの
減価償却累計額は「累計」という言葉からわかるように「ひとつの固定資産を減価償却した合計額」を指します。
それに対して「減価償却費」は「一年で費用化される資産の総額」を定義に含んでいるため、決算の時期にすべてリセットされます。次の年からはまたゼロからカウントするわけですね。
同時に今まで「減価償却費」として計上されてきた費用は決算でまとめて「減価償却累計額」に振り返られます。
つまり「減価償却費」今期のみ、「減価償却累計額」は 通年通して蓄積されていくものなのです。
減価償却費と減価償却累計額の使い分け
問題文中に「今期」と「前期まで」を区別する文言が入ったら、「減価償却費」と「減価償却累計額」両方使用する仕訳を求められている可能性があります。
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例えばこんな問題。
3年前に取得した備品(取得原価10,000円、残存金額0円、耐用年数5年、定額法、間接法を採用)を5,000円で売却した。代金については小切手で受け取った。尚、当期の減価償却費については3か月分を月割りで計算せよ。
残存金額0円なので、10,000円を5年で費用化していく。
10,000円÷5年=2,000円
一年で減価償却する合計額は2,000円。これについては今までやった通り。
なにいってんの?って思った人はこの記事で復習どうぞ。
取得が3年前なので
2,000円×3年=6,000円
これがすでに減価償却し終わった合計額。つまり「減価償却累計額」。これにて前期までの計算が終わり。
ここからは今期の計算。今期の減価償却については4か月分計上するように問題文に指示があるのでそこを計算。3ヶ月は一年の四分の一なので
2,000÷4=500
今期計上する「減価償却費」は500円。これはまだ決算処理をしていない設定のため「備品減価償却累計額」ではなく「減価償却費」の勘定科目を使って処理します。
仕訳はこんな感じになります。
最終の仕訳を見る限り少しややこしく思うかもだけど「今期かそれより前の話か」をちゃんと抑えながらやっていけば問題ないです。落ち着いて解いていきましょう。
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