本気でこのブログが簿記の解説ブログだということを忘れていたので、本日は初心に返り簿記の記事です。
前回、前々回で「固定資産除却損」ってこんなんやったやで!っていう話と、「貯蔵品」って固定資産ではこんな感じで扱ってな!っていうお話をしました。順当に読み進んだならある程度理屈が理解できたと思うので、今回はそれらを使った仕訳問題についての解説。
「固定資産除却損」「貯蔵品」の仕訳について
備品(取得原価:10,000円、残存金額:0円、備品減価償却累計額:5000円)を期首に除却した。その備品の処分価値は2000円と見積もられた。仕訳を行え。
まずこの問題の用語について。
処分価値っていうのはジャンク品を引き取ってもらうにあたって提示された金額ということ。
期首っていうのは、今期はじまる時の事。状況としては、前期の減価償却は完了しているし、今期にいたっては即手放しているので、減価償却費の計算はいらないということになる。
「除却した」というのは、簿記的に言うと「資産でない状態にした」ということ。固定資産を除却する、ということは「それを固定資産として使いませんよ」という宣言のようなもんだな。
これだけ読み取れたら問題を解いていこう。
この問題の難しいところは、見積もり段階のため、とくにこちらに現金が入ったりするようなアクションがない点。「あなたの所有している備品は市場価値的にこんな感じですよー」ということを教えてもらったので、その事実に基づいて除却した固定資産の処理を行うことが目的。
固定資産の仕訳問題
固定資産を除却した段階で起こっていることとして。
① 備品(資産)が減り、貯蔵品(資産)が 増えた。
前者は資産のマイナスであるので貸方、後者は資産のプラスであるので借方に記入する。※仕訳問題の詳細は以下の過去記事参照※
②備品減価償却累計額を考慮。
「備品減価償却累計額」については「資産のマイナス」の性質を持つ勘定科目として減価償却のときなんかはずっと貸方にある。固定資産を手放す場合は売買する場合も、除却する場合も通常とは逆の仕訳を行う。いわば「資産のマイナスのマイナス」というカオスな仕訳。
考え方としては「手放すときはいつもの仕訳と逆の位置に仕訳するから・・・減価償却累計額は借方か」みたいな理解で問題ないです。詳細は過去記事参照。
固定資産除却損の求め方
あとは固定資産除却損を考えるだけ。考えるといっても上記の仕訳を書いてしまえば一目瞭然になる。
上記の数字だけだと借方が貸方よりも3000円小さくなる。この差こそが「固定資産除却損」。
固定資産売却損・固定資産売却益の計算とよく似てるね。実際やることはほとんど変わらない。ちょっと状況整理の内容が変わっただけなので、ゆっくりおちついて解いて行こう。
あわせて読みたい記事