「前払金」と「前受金」は簿記を勉強する中で「ん??」ってなる勘定科目ランキングに名前を連ねると勝手に思ってる。
勘定科目そのものを先に説明しておくと。
「前払金」は納品より前に代金を支払ったとき使用する勘定科目。
「前受金」は納品より前に代金を支払われたとき使用する勘定科目。
「先にお金払っときまっせ」と言ったほうが「前払金」という勘定科目、言われたほうが「前受金」という勘定科目を使用する。予約するほうされるほう。ここまではシンプルでわかりやすい。
この勘定科目で「ん??」となるポイントは「前払金」は「資産」の勘定科目で、「前受金」は「負債」の勘定科目だという点。
後でも先でも、払ったのは同じなんだから「費用」とか「収益」とかじゃないの?なんで先に払ったら費用じゃなくなるの?先にもらったとしても「収益」じゃないの?売上てんのに?捏造ktkr?(違う)
「前払金」はなんで「資産」の勘定科目として扱われるのか。今日はさっくりこのお話。
先ほど説明したとおり、「前払金」は買い手が納品前に代金を支払うとき使用する勘定科目である。
これをもう少し噛み砕くと、先にお金を払ったことで、後で商品を手に入れる権利を得たとき使用する勘定科目だということ。
復習がてら「資産」のことを思い出す。あればうれしいもの。売れば換金できるものが「資産」だった。もちろん権利もお金に変えられるので「資産」。よって、前受金は資産。
・・・モヤっとボール乱舞が見えた。
確かに、この説明だと「前払金」は「資産」をだと証明しただけで「費用」ではない理由にはなってないもんな。
「前払金」は本質的に何かを買った対価ということで「費用」っぽさを含んでるから、「資産」である理由だけ説明されても、どんでん語風に言うなれば「そら(資産なんだろうけど)そう(いうところで躓いてるんじゃないの)よ」ってなるんだわな(最近どんでんでんねん見ないな)
実はこれ。売掛金と同じ理屈。
売掛金は未来にお金がもらえる権利であり、実際にお金が入ったら貸方に記入し、なかったことにする、とりあえず勘定科目だった。今回の「前払金」もお金をもらう権利か商品をもらう権利かの違いこそあれ、理屈はまったく同じ。
「前払金」はあくまで権利なため、実際に商品を手に入れると消滅する。権利が消滅してはじめてこれを「費用」だったりはたまた別の勘定科目だったりという適切な用途で処理を行う流れになる。
買う側としては商品の代金を支払ったということは変わらないんだけども、商品をタイムリーに受け取るんじゃなくて、一旦ワンクッションおいて権利だけを持ち帰るからそれにあわせて「資産」として処理するってことなんだな。