前回、前々回の記事で
「手形には2種類あるんやでー」
「二者間だったら約束手形。三者間だったら為替手形やでー」というお話をした。
今日のお話はそのルールをいきなり覆す「二者間の為替手形ってのもあるんやでー」というお話。はい、鳥頭大混乱の巻き、はじまりはじまり(死)
とは言っても理屈は簡単。
まず二者間の為替手形についてどんな種類があるかを説明すると
・自己指図為替手形
・自己名宛為替手形
この二種類がある。
・・・勘のいい人ならば何か引っかかるぞ??くらい思うのかもね。
要するに
自己(自分を)指図(指図人にする)為替手形と
自己(自分を)名宛(名宛人にする)為替手形。
順番に見ていく前に通常の為替手形の取引の構図を見ておこう。
※ここからはすべて八百屋さん目線でのお話になります、注意※
自己指図為替手形について。
自己名宛為替手形について。
つまり、振出人が一人二役してるだけ。
・・・・・・なんでだろう、心が寂しい。
しかし、取引としてはすごいややこしい取引だと思う。
「素直に約束手形振り出せばよくね??」
鳥頭じゃなくてもそう思うんじゃね??
ぶっちゃけここは暗記でなんとかしてもいい箇所だと思うけど、それじゃこのブログの意味がないよなぁとも思うので強引に解説してみる。
まず、前提として「手形」というものは「信用で振り出されていものである」という理解が必要。
その前提を理解した上で、自己指図為替手形を見ていこう。
手形とは、踏み倒したりなんかしたら社会的に抹殺されうるそれはそれは怖いもの。
つまり、お金を払う側が本当にお金払ってくれんのか心配になったとき、自己指図為替手形を押し付けてしまえば相手が払ってくれる可能性がぐっと高くなる。
「払ってくれるんだよね(ソワソワ)」みたいなこちらが抱えているリスクを
「払わないと相手にとって不利になる」状況にして半ば強引にでも支払いを約束させることが可能になる。
これが自己指図為替手形の意義。
一方の自己名宛為替手形は理屈が全然異なる。
こちらの前提にあるのは、手形を発行するのに手間がかかる、ということ。
本社と支店から成り立つ大き企業の場合、支店にまで手形発行の権利はなく、本社で全部請け負っているというケースがある。
その場合、本社と取引先間で約束手形を振り出せばいい話なんだけども、物理的に距離がある場合、さらに取り立て手数料というものが上乗せされてしまうらしい。
どうしよう、取り立て手数料払いたくない。。でも支店には手形発行する権利与えてないし。。これから与えるのもめんどくさい。。
考えた本社は、支店に対して支払いを命じることで手数料を回避することを思いついた。
これで取り立て手数料の問題も、支店に手形発行の権利を与える手間がなくなった。やったねたえちゃん、これでめんどくさいから開放されたよ!!
これが自己名宛為替手形の理屈。
実務の中では「手形」というのは実はすごく面倒なものなんじゃなかろうかと思うね。。