簿記3級の固定資産について抑えておくべきポイントはふたつある。
ひとつは、減価償却。これはすでに解説済み。
もうひとつは、固定資産売却益と固定資産売却損だ。
今回は固定資産を売買したとき発生する処理について。
固定資産は売買される
まず、前提として。
固定資産というのは、一年以上継続して使用する「資産」。
さて。「資産」の定義って何だったでしょうか?
うん、売ってお金に変えられるもの、だな。覚えていた人素晴らしい。
そう、固定資産も「資産」なので、売ることができる。売ると言うことは利益や損失が発生するということ。
固定資産売却益とは、固定資産を売却したときに発生する利益で
固定資産売却損とは、固定資産を売却したときに発生する損失のこと。
前者は「収益」の勘定科目、後者は「費用」の勘定科目として仕訳に用いる。
固定資産売却損・固定資産売却益は、固定資産の価値と市場価値との差額
この世の中では、いろんな商取引が行われている。
売買の基本として、売り手は仕入れ価格よりも高く商品を売り、利益を出すことが挙げられる。
ただし、この固定資産の場合は「固定資産売却損」という売ったのに損失が発生するけったいな勘定科目。
鳥頭「世の中の流れに逆らいまくりちゃうか、なんなのこれ」
ホームズ先生「すべてのものに理由があるのだよ、ワトソン君」
鳥頭「理由ってなんですか、教えてホームズ先生」
ホームズ先生「お前にはまだ早い!!!!」
最近脳内茶番がとても淡白。ホームズ先生も冷たいのでそろそろ病気を疑おうかしら。
しかし、ホームズ先生が言ったとおりこうなるのには複雑な理由があるんですよね。
例えば、鳥頭の使っているオンボロPC(購入価格ゼロ円、使用年数2年)これを売ろうと思い立ったとします。中古品のお店はPCのスペックなり、HDの状態なりを確認して値段を提示してくれると思う。管理人でもわかるが、あんまり高くは売れないだろう。
しかし、これが実はめちゃくちゃ希少価値のあるPCならば、多分もっと高い値がつく。もっとボロボロの状態であろうがなんであろうが、欲しいという人がいるならばそれなりの価格がつく。
つまり、どれだけ減価償却してようが、購入金額がどんだけであろうが、それと価値とは無関係ということ。減価償却は固定資産の費用化というだけの行為であって、それに比例していくように価値が落ちるというものでもない。レトロなものに価値が付くのと同じ理由だな。
固定資産売却損、固定資産売却益も同じ。その固定資産が持っている固定資産としての価値と、市場価値の差をそう呼んでるだけだ。
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