前回、なんで前払金は費用じゃなくて資産なの?という疑問を解決した(つもり)なので、今回のメインテーマは「前受金」。
前受金は義務を生じさせるもの
「前受金」とは納品前に支払いが終わっている場合、売り手側が使う勘定科目。予約されるほうの立場。ここまではおkだと思う。
引っかかるのは「前受金」が「負債」の勘定科目だという点。
これに関しては、「負債」の性質に注目してみていこう。
「負債」とは債務と会計的債務の2種類に分類される。この場合、使用するのは債務の概念。詳細は過去記事参照。
負債ってのは、人に何かする義務を負っていることだった。今回の「前受金」はその典型のようなもの。
取引というものは、片方が提供するものに対して、もう一方の立場の人がそれに見合う対価を払うことで成立する。まだどちらもアクションを起こしていない段階であれば、Noという一言によって取引をしないという選択肢もとれるわけ。ただ、どちらか一方が果たすべき責任を行った後、というのは一方は必ず応えないといけないという法的要素が加わってくる。
もうお金はもらっているので後は納品するだけ。この状態は言い換えるなら納品する義務を売り手が負っているということ。そう、負債の重要キーワードは「義務」。
前受金は売り手にとって納品する「義務」を生じさせるもの。だから負債という扱いになるんだな。
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