簿記2級の固定資産の問題について、いろいろまた新しい用語が登場するので、今回からはそれを紹介するよっと。今回は「建設仮勘定」のお話。
3級で出てくる用語集はこちら。
建設仮勘定とは
建設仮勘定とは、「建物」建設において支払った前受金を処理するのに使う勘定科目。
具体的にいうと「建物」などの固定資産は作るのに数年がかりの計画になることがある。その際、建物のオーナーから建設会社さんへ、頭金という形で建物受け渡し前にお金を支払っておくケースが多い。この頭金の処理に使うのが「建設仮勘定」と呼ぶ。
「Q.なんでわざわざ「建設仮勘定」を使ってしまう必要があるの?前受金とか建物とかもうすでに知ってる勘定科目で処理しちゃだめなの?本当に新しい勘定科目を増やしちゃう必要あるの??」
もっともな疑問をもって某れんぼーさん(二度目の登場)が鳥頭の脳内を大暴れしています。これが脳姦ってやつか(茶番脳)
A.だめなの。それをやっちゃうと経理的にいろいろあかんことになっちゃうの。
頭金を支払う段階で「建物」の勘定科目で処理してしまうと、まだつくっている段階なのに、経理上は既に建物を保有していることになってしまう。保有しているということは減価償却する必要なども生じてくる。完成してすらいないものを減価償却することもできない。「これは減価償却しなくていい建物」とか区別しはじめた日にはチェーン展開している企業の経理担当者が発狂するほどややこしい事態に陥るので、「建物」として処理するのは不適切。
「前払金」として処理した場合、下手したら数年越しでえげつない額の「前払金」が計上されることになる。うっかりそれを株主に公開してしまったら、「この企業、893な取引先と手ぇ組んでやないでげすか・・・?」とあらぬ伺いを掛けられる恐れもある。経理のせいで会社がすごい財政状況に見える、というのは避けたい事態。
多額のお金が動くということもある。だったら別に勘定科目作ってしまおう!といういつものノリによってできた勘定科目。それが「建設仮勘定」だ。
まとめると「建設仮勘定」使わないとめちゃくちゃややこしくなるというわけ。
建設仮勘定を用いた仕訳
「建設仮勘定」は未来に建物を受け取れる「権利」。「権利」なので資産の勘定科目に分類される。
建物が完成して受け渡される際に、「建設仮勘定」は晴れて「建物」の勘定科目にすることができる。
例えば。
建物の建築を建設会社に依頼し、手付金として1,000,000円を小切手を振り出して支払った場合の仕訳はこんな感じ。
「建設仮勘定」は未来にものを得る権利。つまり資産の勘定科目。資産が増えたわけだから借方に記入する。
次に、この建物が完成したとき、残りの金額2,000,000を小切手を振り出して支払った場合の仕訳がこんな感じ。
権利はものを受け取ったことにより消滅するから資産のマイナス。よって「建設仮勘定」は 貸方に記入。「建物」は「建設仮勘定」と「今回振り出した当座預金」の合計額が代金になるから3,000,000円也。
この仕訳がすっきりわかれば「建設仮勘定」の問題は大丈夫なので、ここでしっかり抑えておこう。